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ASCA 30th記念 パートナー座談会 Part3

座談会レポートもこれが最終回です。ここでは、「できる」か「できない」かは考えずに、「こんなふうになったらいいな」と思うことについて伺います。



テクノロジーでできたらいいな、こんなこと!

-急速にテクノロジーが進化する中、翻訳業務において実現してほしいことや改善したらいいなと思うことがあれば教えてください。

三枝(以下、敬称略)
一人で作業しているので、会話型のQAツールがあったら少し楽しくなるかなって思います。QAを実行すると同じような警告が上がってきますが、そんなとき「他のもOKしといてー」と言ったら「わかりました!」ってやってくれたら気持ちいいです。

加藤:アシスタント的に、優しい音声でしゃべってくれたらいいですね(笑)。

中西
患者向けの文書で「ですます調」で翻訳するとき、うっかり「である調」にしてしまうことがあるのですが、QAで「言葉遣いが違うよ」と指摘してくれたら嬉しいです。CAT ToolはWordの校正機能には劣りますよね。漢字の変換ミスや、肯定と否定の間違いも、「内容的におかしくない?」と指摘してくれたら最高です。どうしても思い込んでしまっていて、素読みをしても気づききれないときがあるので、それを助けてほしいです。

深野:「この分野の文書だとそれおかしいよ」とおしゃべりしてくれるとかですね。

柏木
近未来の映画とかでよく見ますが、ディスプレイ画面が自分の目の前にぷかぷか浮いていて、検索画面と翻訳ファイルが簡単に切り替えられたら便利かなと思います。きっと仕事の効率が上がります。

加藤:会社のディスプレイがそうなったら、みんな独り言が増えるんじゃないですか(笑)。

花渕
これまでに経験のない種類の文書をチェックするときに、重要なところがピカピカ赤く光るような機能があるといいなと思います。信号機みたいに赤・黄・青のサインを出してくれるとか。

平尾
それは、タイムマネジメントに使えますよね。例えば赤がいっぱいあったら、このファイルのこの部分はチェックに時間がかかりそうだと予測できます。

川合
MTの精度もあがっているので、数字エラーのようなケアレスミスはほぼなくなってきています。ですので、おかしな日本語にアラートを出してくれたり、適切な代替案を教えてくれたりすると嬉しいです。

平尾:リアルタイムで提案してくれると、その場で解決でき判断に時間をかけなくてもいいですね。

畠山
8社くらいのレイアウト業務を担当していますが、スタイルガイドやテンプレートが各社で異なるので、PMDAや国の機関が何かひとつに決めてくれたらいいのに、と思います。

深野:プロトコルの英語版はICH推奨の共通テンプレートがすでにあって、ICFも完成目前らしいです。

持田
わたしの弱点を理解してくれて、「この前もこれ忘れてましたよー」とそっと言ってくれる機能がCAT Toolにあるといいなぁと。あと、1件のプロジェクトで、複数人が同時進行でファイル編集できたらいいなと思います。

深野
同時進行については、コミュニケーション機能がCAT Toolにあります。1件のプロジェクトを、同じ画面を見ながらパートナーさん同士で会話しながら進められたら、効率あがりますよね。

加藤
オンラインゲームの感覚でしょうか?作業時間も削減されますよね。今だとメールで質問するしかないので、そのメールを書く時間もそれなりにかかります。「ちょっと今いいですか?」って聞いて、「はい。お願いします」と、即時に問題が解決できたら嬉しいです。

平尾
ASCAとしては、皆さんの意見をうまく取り入れながら、皆さんとWin-Winで仕事ができるようにしていきたいと常々考えています。人にとっては面倒くさいところを、その部分が得意な機械がやってくれたらいいんですよね。そして、人が注力すべきところに時間をかけて、よりお客様にとって満足度の高い商品を提供できれば、みんなHappyになりますよね。

まとめ

加藤
皆さんのお仕事の様子や工夫されていることなど、貴重なお話を直接伺うことができ、とても勉強になりました。また、日々翻訳業務に携わっている皆さんならではの新しいアイディアがどんどん膨らんで、話が盛り上がっていく雰囲気は本当に楽しくなりましたし、嬉しくもなりました。
余談ですが、エアバス社の飛行機には「ヘッドアップディスプレイ」という透明なガラスのディスプレイが操縦席の前にあって、速度、高度、方位、姿勢などの情報が表示される機能が装備されています。特に、着陸時には視覚的に操縦士をサポートしてくれる技術がこれまでにも使用されていますので、自分の目の前にパネルが浮遊して、自由に移動させることで作業効率がアップするという未来は、そんなに遠くないかもしれません!
今後ますますテクノロジーと人がそれぞれの役割をこなしながら一緒に成長していくことで、新たな未来が開ければ良いなと思いました。


Part1の記事はこちらから

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