招福の辰、仕事の基本
「龍(辰)」は雲を呼び、天空に向かって舞い昇ることから、「立身出世」や「運気上昇」など、様々な願いがこめられ、尊ばれてきた。
龍が口にくわえる矢には、災いを避け、清らかな一年でありますように、という願いが込められている。
“新しい年が未来の幕開けになり、皆様にとってつつがない一年になることを願います。”
さて、この辰の置物、道修町にある「少彦名神社」で入手した。そして、安全と平安、そしてASCAの発展をしっかりお祈りした。加えて、令和6年能登半島地震の被害を思い、ご冥福と一日も早い復旧もお願いした次第である。
元旦夕方、日本海にある私の実家も大きく揺れ「令和6年能登半島地震が発生した。直後TVをつけるや、30年前の阪神大震災の記憶がフラッシュバックした。ビルが倒れ、大きな火災の映像を観て、緊張感だけでなく、恐怖さえ感じたのは私だけではないはずである。
TV前の私は、全く無力で、北陸方面の知り合いの安否を確認するしかない。
何もせず、ただ生きていていいのか、
いや、何かせねば、与えられた命があるのだから、と。
何ができるのか、何なら役に立つのか。
私が30年ほど前、会社を起こそう、と思ったきっかけは阪神淡路大震災。まさにこんな想いが私を動かしたのだ。
あれからほぼ30年、また大きな震災が正月に起こった。
辰年だから登れ、と言うより、原点に戻れ、という声が聞こえてくる。
ITやAIが進み、私たちの仕事は大きく変わってしまった。
業務の効率は大きく向上したが、何となくできた気がするから恐ろしい。
わかるはずも、できるはずはないのに。
誰のために、何のために、自分は何ができるか、この問いは続けないといけない。
足元を固めることで昇る未来は開ける。
それでいいのか、そんな仕事の仕方でいいのか、本当にわかっているのか。
ASCAも今年は30周年を迎える。
仕事の基本の重要性を考えた年明けである。
(文:石岡映子)