Breaking through the blood-brain barrier:希少疾患治療につながるJ-Brain Cargo®の可能性
Science12月13日号に「Breaking through the blood-brain barrier」というタイトルで、ライソゾーム病の治療につながる画期的な技術に関する記事が報告されました。
神戸に本社を持つJCRファーマ株式会社が開発した「J-Brain Cargo」(血液脳関門通過技術)を使えば、医薬品の有効成分を中枢神経に届けることができる。希少疾患であるライソゾーム病の患者の多くに見られる発達障害や言語障害を起こす脳の中枢神経症状の改善を目指し、ヒトでの血液脳関門通過を実証したという素晴らしい成果です。
希少疾患の治療法は限られています。特に、脳に影響を与える病気は、血液脳関門の存在により、治療が難しい課題となっています。しかし、「J-Brain Cargo」と呼ばれる技術が登場し、治療分子を静脈注射によって脳に届けることが可能になりました。その「J-Brain Cargo」を利用した新たな遺伝子治療技術である「JBC-AAV」は、応用範囲が広く、希少なライソゾーム病のような神経疾患類に対して、機能的療法を提供することが期待されます。
JCRファーマの取締役専務執行役員研究本部長の園田博之氏によると、世界中に稀少疾患で苦しむ患者は20人に1人以上いるにも関わらず、製薬企業は投資してきませんでした。患者数の多い疾患と違い、稀少疾患については会社が研究開発を止めたら患者さんは命綱を切られることを意味します。だからそこJCRファーマは、小児期に神経変性を引き起こし、早期死亡の可能性がある症状を引き起こす希少な遺伝性疾患であるリソソーム病の研究に長く取り組み、今回の画期的な技術であるJ-Brain Cargoの開発につながったと。
JCRファーマは、さまざまな治療用酵素を備えたJ-Brain Cargoを使った様々な臨床試験を行っています。JCRファーマは世界中の複数の企業と提携して、さまざまな神経疾患の治療法を開発。 JCRファーマは今後、脳、眼、筋肉、さらには骨格など、今まで治療が困難だった器官に自社の技術が効率的に使えるか検討しているという。
創立50周年を迎えた同社は、満たされていない医療ニーズに応えることをミッションにしています。この記事を読み、希少疾患を超えた神経学的適応症に取り組む世界的なパートナー探しにつながることを願っています。
詳しくは原文を読んでほしい。
https://www.science.org/content/article/breaking-through-blood-brain-barrier
JCRファーマ:
https://www.jcrpharm.co.jp/lysosome/index.html