【終了しました】第33回 Science Café 巨大スパインに基づく統合失調症の病態生理の新仮説- 神経細胞の“シナプス民主主義”の崩壊 -
Science Cafeのご案内
Science Café はScienceまたは姉妹誌に研究論文等投稿が掲載された日本研究者の方にZoom Webinarによるライブ配信にて講演して頂くイベントです。
研究内容の解説に加え、研究にまつわるエピソード、社会に与える影響や提言を交えてお話して頂きます。Q&Aセッションも設けております。参加は無料です。
日 時:2023年8月28日(月)14:00~14:40(予定)
演 題:巨大スパインに基づく統合失調症の病態生理の新仮説
- 神経細胞の“シナプス民主主義”の崩壊 -
演 者:林(高木)朗子 先生
理化学研究所・脳神経科学研究センター・
多階層精神疾患研究チーム チームリーダー
概要
従来の知見から、統合失調症の病態生理には何らかのシナプス機能の変調が関係すると考えられていましたが、その具体的なメカニズムは未解明でした。そこで我々は統合失調症モデルマウスのグルタミン酸シナプス機能を、シナプス入力がどのような行動表出へ至るかまで多階層に検証した結果、非常に強いシナプス(巨大スパイン)の出現により、神経細胞の演算機能が変調することを見出しました。グルタミン酸シナプスのどのような不具合が統合失調症の病態生理に関与するかを示唆したものであり、新しい仮説です。少なくとも一部の統合失調症群に関しては、新たな治療戦略を開発する必要があるかもしれません。
掲載号:Science Advances 2023年6月9日号
“Distorted neurocomputation by a small number of extra-large spines in psychiatric disorders”
SCIENCE ADVANCES 9 Jun 2023, Vol 9, Issue 23 DOI: 10.1126/sciadv.ade5973
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