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明日ありと 思う心の仇桜 夜半に嵐の 吹かぬものかは:ASCA30周年

今年の桜の開花は少し遅かれ、ソメイヨシノに加えて枝垂れも咲き出したので、本格的な春の到来と4月からの新しい期のスタートを艶やかに祝ってくれている。

私は大の桜好き。生まれたのも、会社をスタートしたのもこの桜の季節である。爛漫の桜はもちろんであるが、咲き出したころ、そして静かに散る桜も素敵だ。松岡修造さんがどこかで、「桜はな、この一年のこの時のために全てを出してるから美しいんだ」と言われていて、まさに、と思っている。ずっと咲く準備をし、咲いたらあっという間に散ってしまう。押し付け感もなく、その儚さと健気さが私たち日本人の気持ちに寄り添うのだろう。

「明日ありと 思う心の仇桜 夜半に嵐の 吹かぬものかは」という親鸞聖人が鎌倉時代に詠まれたと伝わる和歌がある。親鸞聖人が9歳の時、仏門に入る決心をされ、上の方に得度の式を依頼されたのが夜だった。明日の朝に得度の式をしようと言われたが、聖人は「明日まで待てません」とおっしゃられた時の歌らしい。「今美しく咲いている桜を、明日も見ることができるだろうと安心していると、夜半に強い風が吹いて散ってしまうかもしれない」、つまり「明日自分の命があるかどうか分からない、だからこそ今を精一杯大事に生きていきたい」という思いが込められているのだと。詳しくは、https://tokuzoji.or.jp/shinran-uta/に紹介されている。

ASCAはこの春4月で30周年を迎える。社員はもちろん、パートナー・クライアントの皆様など、本当に多くの皆様に支えていただき、感謝、感謝の30年である。

阪神大震災の衝撃で、いつ自分も命を失うかわからない、大切にしなければ、という想いで作った会社である。この間ずっと、いつ会社はつぶれるかわからない、翻訳という仕事はいつなくなるか、と自分に言い聞かせてきた。

未来のためにも今日この日を一生懸命生きる。
惜しまず、力いっぱいこれからも努力を重ねたい。

来週、30周年記念特設サイトを公開し、過去のエピソードや想いを紹介する。乞うご期待。


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