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桜散る、坂本龍一が舞ってしまった

桜の花びらが舞う4月2日、坂本龍一の訃報は、言葉にならない悲しいニュースだった。桜散る、そして彼は舞ってしまった。

昨年のASCAのクリスマス忘年会で、音楽療法されているプロのピアニストに「戦場のメリークリスマス」の主題歌を生演奏いただき、参加者皆の心に響いた。大島渚監督の映画で、メインテーマ「Merry Christmas Mr. Lawrence」は今なお弾き継がれる代表曲である。もともと俳優にとして出演してほしいと依頼され、音楽を担当させてもらうことが条件だったという。俳優としての存在感も迫力があったが、やはり彼の音楽は心に残る。

がんとの闘病で、1年間で、20時間にも及ぶ手術を含めて6回の手術をした、と。壮絶な戦いだっただろうに、最後まで音楽活動をつづけていたのだから「世界のサカモト」の迫力である。

「芸術は永遠であるが、人生は短い」という一節が好きだったという。“Ars longa, vita brevis.” “Art is long, life is short.”と正式ページに紹介されている。https://www.sitesakamoto.com/whatsnew/
人間の命は短いが、すぐれた芸術作品は作者が死んだのちも長く残る。だから芸道に精進しなければならない、という意味である。

もともとは、医学の祖であるヒポクラテスのことばに由来するのだと。元来はギリシア語で、人の一生は短いが医術は奥が深くなかなかきわめがたい、だから、医を学ぶ者は怠らず励まなければならない、のだと。(「コトバンク」より:https://kotobank.jp/word/%E8%8A%B8%E8%A1%93%E3%81%AF%E9%95%B7%E3%81%8F%E4%BA%BA%E7%94%9F%E3%81%AF%E7%9F%AD%E3%81%97-488732

坂本龍一は、医学の進歩に向き合う医師たちに最後まで感謝を伝えていたという。
芸術と医療、もちろん私たちの仕事も、怠らず精進すれば永遠に残る。
そう信じて日々を励みたい。