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同性パートナー間での生体腎移植実施は諦めていた人への大きな希望

京都大学で同性パートナー間での生体腎移植が今年の5月に実施され、ドナー、レシピエントとも3週間の入院を経て、社会復帰されたという。日本での生体臓器移植は、日本移植学会倫理指針により、6親等以内の血族あるいは3親等以内の姻族でしか認められていないが、今回は、同性パートナーとして京都市のパートナーシップ宣誓制度に基づき宣誓し、法律上の夫婦又は家族と同様に取り扱う行政サービスを受けていた。レシピエントの慢性腎不全が進行し、腎代替療法が必要となる中で、同性パートナーが自らの自由意思でドナーとなることを表明、希望され、京都大学の医の倫理委員会および日本移植学会の倫理委員会の承認を受けたうえでの実施だった。

京都大学が公表したのも、性的少数者であるという理由で移植が実施できないと諦めている患者さんにとって有益な前例となる可能性があるからだという。

レシピエントの腎移植術を担当された一人の小林恭(教授)先生は以前、泌尿器に関する医学論文の監修で長らくお世話になった先生である。当時から、かなりお忙しいはずなのに、時間を工面し、「勉強になります」と嫌な顔もせずに向き合ってくださった。先生が監修してくださると、スポンサーはもちろん、大御所の先生からも何の文句も出なかった。ツボを押さえるのが本当にうまい。何が重要かの判断など、そのころから感心していた。

今回の病院側の判断には多くの壁があったはずである。それでも、出来ない理由があるのか、という先生方の強い意志が伝わってくる。
諦める前にできる方法を考えたい。そこにこそ希望が生まれる。

京都大学のプレスリリース他