
Science Update 1 March, 2024
サイエンス誌(Science)に掲載された日本人著者からの日本語タイトルとコメントを紹介します
SynGAPタンパクはその触媒活性とは独立してシナプス可塑性と認知機能を制御する
SynGAP regulates synaptic plasticity and cognition independently of its catalytic activity
神経細胞のシナプス結合強度変化(シナプス可塑性)は、記憶や学習の生物学的な基盤と考えられています。今回の研究では、SYNGAP1というシナプスに豊富に存在するタンパク質が、従来考えられていたRasGAPの酵素触媒活性を介してではなく、液‐液相分離とリン酸化によるタンパク結合の制御によりタンパク複合体に直接作用する様式でシナプス可塑性や認知機能を制御していることを明らかにしました。
Department of Neuroscience, Kavli Neuroscience Discovery Institute, Johns Hopkins University School of Medicine
荒木陽一