【終了しました】第27回Science Café スペルミジンの脂肪酸酸化活性機構と老化による不応答性の回復
Science Café のご案内
Science Café はScienceまたは姉妹誌に研究論文等投稿が掲載された日本の研究者の方にZoom Webinarによるライブ配信にて講演して頂くイベントです。
研究内容の解説に加え、研究にまつわるエピソード、社会に与える影響や提言を交えてお話して頂きます。Q&Aセッションも設けております。参加は無料です。
日 時:2023年1月17日(火)14:00~14:40(予定)
タイトル:スペルミジンの脂肪酸酸化活性機構と老化による不応答性の回復
演 者:茶本 健司 先生
京都大学大学院医学研究科附属がん免疫総合センター 免疫ゲノム医学講座
特定准教授
概要
PD-1阻害抗体を中心とするがん免疫治療は様々ながん種に適応されているが、まだ半数以上の患者は不応答性である。この不応答性には老化による免疫力の低下が関与している。生体内ポリアミンであるスペルミジンは、抗老化作用を示すが、そのメカニズムは不明点が多い。老化T細胞はスペルミジンが少なく、脂肪酸酸化を含むミトコンドリア機能が低下していた。スペルミジンは脂肪酸酸化の中心的酵素であるmitochondrial trifunctional protein(MTP)に直接結合し、CD8+キラーT細胞の脂肪酸酸化を回復させることを発見した。スペルミジンとPD-1阻害抗体を併用すると高齢マウスにおいてもMTP依存的に抗腫瘍効果が回復することを示した。これらの結果はスペルミジンによる抗老化作用機序に新たな方向性を示す。
掲載号:Science 2022年10月28日号
"Spermidine activates mitochondrial trifunctional protein and improves antitumor immunity in mice"
SCIENCE 28 Oct 2022, Vol 378, Issue 6618 DOI: 10.1126/science.abj3510
京都大学大学院医学研究科附属がん免疫総合センター
https://www.ccii.med.kyoto-u.ac.jp/
京都大学大学院医学研究科 京都大学免疫ゲノム医学
https://www2.mfour.med.kyoto-u.ac.jp/pd-1_project.html
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